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債務整理入門(3・終)
前回の投稿から随分と引っ張ってしまった感はありますが,本日は債務整理入門の最終回です。
最終回に取り上げるのは,みなさんでも耳にしたことがある「自己破産」です。
前回までで債務整理を行う際の分類についてお話をしてきました。
自己破産は,任意整理・個人再生共に選択することができない場合に行われる手続と理解していただければ十分です。
自己破産は,本当に簡単に説明すれば,「自らの財産をすべて債権者に提供することによって,支払いができなかった分の借金を返さなくてもよくする手続」です。
ここで,自己破産には,2つの手続があります。
1つ目は,「同時廃止」と呼ばれる手続です。
破産における手続きは,債務者の財産調査を行ったり,債権者の債権調査を行う「破産手続」と債務者の借金を返さなくてよいことにするかを決定する「免責手続」に分かれます。
このうち,破産開始決定と同時に破産手続が終了し,すぐに免責手続に移行する場合を「同時廃止」と呼んでいます。
同時廃止は,債務者の財産調査や債権調査を行う必要がない場合に行われます。
例としては,破産申立段階でほとんどお金を持っておらず,またお金に変えられるような不動産や車を持っていない人のうち,生活費が足りないためにカードローンを使ってしまったなど借金の理由自体にも特段問題がないような場合が挙げられます。
このような場合は,後に述べるような破産管財人による業務が想定しがたいため,わざわざ破産手続を行う必要性に乏しいためです。
これに対し,換価可能な財産を持っていたり,借金の理由がギャンブルや浪費などにある場合は,財産調査や債権調査,さらにそもそも免責にするかどうかを調査する必要があります。
このような場合のことを「管財手続」と呼び,裁判所が選任した破産管財人が既に述べた内容の調査を行います。
同時廃止になるか管財手続になるかの振り分けは,裁判官が行うのですが,目安としては,①申立段階において20万円以上の現金・預貯金を有しているか,②直近で不動産や車を購入していないか,③借金の理由がギャンブルや浪費ではないかなどのいくつかの基準によって決められていると考えてよいでしょう。
なお,先程自分の財産をすべて債権者に提供すると説明しましたが,ある程度のお金は「自由財産」として手元に残すことができます。
また,家財道具が取られるようなこともまずありませんので,安定した収入が得られるのであれば,破産手続中も生活が大きく変わることはそれほどありません。
免責許可決定が確定すると,破産者は,債務の支払いをしなくてもよいことになります。
ただし,租税債権,悪意の不法行為債権,従業員の労働債権,罰金等の債権は免責の対象になりませんので,これらの債権が多額であるために破産申立てを検討している人の場合は,抜本的な解決にはならないことに注意が必要です。
以上で債務整理に関する説明を終えますが,日頃債務整理相談をしている中では,実は債務整理とは違うところに問題の核心があったりすることが多く,その問題を解決することで債務整理も一緒に解決できる場合も少なくありません。
まずは,弁護士に相談すると思わぬ解決法が見つかるかもしれません。
アダジオ法律事務所
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最終回に取り上げるのは,みなさんでも耳にしたことがある「自己破産」です。
前回までで債務整理を行う際の分類についてお話をしてきました。
自己破産は,任意整理・個人再生共に選択することができない場合に行われる手続と理解していただければ十分です。
自己破産は,本当に簡単に説明すれば,「自らの財産をすべて債権者に提供することによって,支払いができなかった分の借金を返さなくてもよくする手続」です。
ここで,自己破産には,2つの手続があります。
1つ目は,「同時廃止」と呼ばれる手続です。
破産における手続きは,債務者の財産調査を行ったり,債権者の債権調査を行う「破産手続」と債務者の借金を返さなくてよいことにするかを決定する「免責手続」に分かれます。
このうち,破産開始決定と同時に破産手続が終了し,すぐに免責手続に移行する場合を「同時廃止」と呼んでいます。
同時廃止は,債務者の財産調査や債権調査を行う必要がない場合に行われます。
例としては,破産申立段階でほとんどお金を持っておらず,またお金に変えられるような不動産や車を持っていない人のうち,生活費が足りないためにカードローンを使ってしまったなど借金の理由自体にも特段問題がないような場合が挙げられます。
このような場合は,後に述べるような破産管財人による業務が想定しがたいため,わざわざ破産手続を行う必要性に乏しいためです。
これに対し,換価可能な財産を持っていたり,借金の理由がギャンブルや浪費などにある場合は,財産調査や債権調査,さらにそもそも免責にするかどうかを調査する必要があります。
このような場合のことを「管財手続」と呼び,裁判所が選任した破産管財人が既に述べた内容の調査を行います。
同時廃止になるか管財手続になるかの振り分けは,裁判官が行うのですが,目安としては,①申立段階において20万円以上の現金・預貯金を有しているか,②直近で不動産や車を購入していないか,③借金の理由がギャンブルや浪費ではないかなどのいくつかの基準によって決められていると考えてよいでしょう。
なお,先程自分の財産をすべて債権者に提供すると説明しましたが,ある程度のお金は「自由財産」として手元に残すことができます。
また,家財道具が取られるようなこともまずありませんので,安定した収入が得られるのであれば,破産手続中も生活が大きく変わることはそれほどありません。
免責許可決定が確定すると,破産者は,債務の支払いをしなくてもよいことになります。
ただし,租税債権,悪意の不法行為債権,従業員の労働債権,罰金等の債権は免責の対象になりませんので,これらの債権が多額であるために破産申立てを検討している人の場合は,抜本的な解決にはならないことに注意が必要です。
以上で債務整理に関する説明を終えますが,日頃債務整理相談をしている中では,実は債務整理とは違うところに問題の核心があったりすることが多く,その問題を解決することで債務整理も一緒に解決できる場合も少なくありません。
まずは,弁護士に相談すると思わぬ解決法が見つかるかもしれません。
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