債務整理入門（１）

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

さて，このブログでは，どのような記事を書こうか色々と考えたのですが，まずは，弁護士が取り扱う様々な分野について，少しずつご紹介するのかよいと思いました。

これは，前回執筆した「男女問題と弁護士」の反応が良かったことにも由来しています。

そこで，本日取り上げる分野は，「債務整理」です。

債務整理の分野は，「借金問題」「クレサラ相談」「多重債務相談」など様々な表現のされ方をしていますが，私自身は，「債務整理」と呼称しています。

この「債務整理」は，平たく言うと，いま抱えている借金（負債）の返済がうまくいかないときに，弁護士が関わることによってより良い方向へ解決するという分野です。

債務整理の出発点として，この分野を大きく２つに分けると，「任意整理」と「法的整理」に分かれます。

今日は，このうちの「任意整理」について，お話します。

任意整理とは，現在抱えている借金について，業者と直接話し合いをして，利息をカットしてもらったり，返済期間を延ばしてもらったりして，全額返済を目指す方法のことです。

無担保の借り入れでは，借入額に相当多額の金利が設定されていますので，返しても返しても利息分しか返すことができず，元本がなかなか減っていきません。

これに対し，任意整理では，利息をカットすることによって債務総額が確定するので，決められた返済期間が終われば，必ず完済することができます。

この方法は，裁判所を使う「法的整理」よりも簡便な方法でできますし，弁護士費用もそこまでかかりませんので，利用者にとって精神的にも心理的にも負担が少ない方法だと言えます。

ただし，業者と直接話し合いをしますので，業者側が協議に応じなければ合意成立とはなりません。特に，金融機関が相手の場合は，基本的に任意整理に応じませんので，弁護士が交渉窓口になったとしてもほとんどメリットがないと言われています。

昨今，銀行のカードローンなどの問題が報道されていますが，私自身が相談をしているうえでも，従来消費者金融から借入れをしている人が多かった印象が，最近では銀行のカードローンを使っている相談者の方が本当に多くなったと感じています。

このように，任意整理でうまく解決できない場合は，もう一つの「法的整理」の方法を取らなければならなくなります。

この「法的整理」の内容については，回を改めてお話しすることにします。